[Senile EBV-associated B-cell lymphoproliferative disorder].

Epstein-Barrvirus (EBV)は1964年 にアフリカのバー キットリンパ腫培養細胞から発見された.そ の後,上 咽頭 がんや 胃がんなどとの関わ りも明らかにされ,歴 史的に最 も活発 に研究 がな されて きた ヒ トがん ウイルスhuman Cancer virusで あると言える.そ の明 らかな発癌 との関連 にも関わらず,EBVは 高度に普遍的なウイルスで もある. EBVは 主に唾液 を関した母子感染によって伝播 されると 考えられる.わ が国の25歳 以上の成人人口においては,ほ ぼ100%に 近い感染率を示す とされる. EBVと 血 液 リ ンパ 系 疾 患 との 関 わ りは 深 い.表1に, 主 なEBV関 連 血 液 リ ンパ 系 疾 患 を示 す.知 られ る 限 り リ ンパ 系 疾 患 が 主 体 で あ り,顆 粒 球 系 な ど他 系 統lineageの 血 液 細 胞 に は 余 り関 与 しな い よ うで あ る.通 常,EBVは B細 胞 に潜 伏(latent)感 染 す る こ とか ら想 像 さ れ る よ う に,多 くの 疾 患 はB細 胞 性 で あ る.一 方,T細 胞 やnatural killer (NK)細 胞 由 来 の リ ンパ 増 殖 性 疾 患 に もEBVは 関 わ り を有 す る2,3).幼 児 期 ま で のEBV初 感 染 は ほ とん ど が 無 症 状 で 終 わ る が,少 年 期 以 降 に お け るEBV初 感 染 は,伝 染 性 単 核 球 症infectious mononucleosis (IM)と し て 発 症 す る.思 春 期 に 多 く,と き にkissing diseaseと も 呼 ば れ る.ま た,稀 で は あ る がEBV初 感 染 は,ウ イ ル ス 関 連 血 球 貧 食 症 候 群 の 原 因 と な る4).さ ら に伴 性 劣 性 リ ン パ 増 殖 性 疾 患X-linked lymphproliferative disorder5)や 慢